コース紹介イベント卒業生・修了生の声進路

1. 初年次からの双方向・少人数教育

■  少人数ゼミ

1年次には、学生3~4名のグループに1人の教員が指導にあたり実験や調査研究を行う科目である「STEM演習」を取り入れ、自然や産業の中での化学に向き合う学生の好奇心を引き出すとともに、レポート作成やプレゼンテーションのコツを早くから養います。なお、このときの各グループの担当教員はアドバイザー教員として4年次まで持ち上がり、勉学のみならず学生の様々な相談の窓口としての役割も果たします。

■  ICT積極活用による双方向・効率化

LMS(ラーニング・マネージメント・システム)としてクラウド型教育支援システム(manaba)を導入し、課題や質問、要望などには、時間割の枠の中に限らず、適宜きめ細かなフィードバックが与えられます。コロナ禍をきっかけにビデオ会議システム(Microsoft Teams, Zoom)の導入も加速しました。ライブ配信授業による双方向のやり取りや、講義後に繰り返し確認できる録画配信を、科目の特性や目標に合わせながら、面接授業とも使い分けて活用します。

■  講義・演習による基礎知識の習得

講義科目では、有機化学、無機化学、物理化学、化学工学といった化学の根幹を成す分野について、基礎知識と応用力を広く深く身につけます。各分野には演習科目が組み込まれ、講義で得た知識を使えるものにしていきます。
徳島大学理工学部理工学科応用化学システムコース

2. 充実した実験科目

■  基礎化学実験(2年次)

2年次からは、実験実習が本格的に始まります。実習を始める前に安全教育を徹底し、一歩間違えば危険性を伴う化学物質を正しく安全に扱う技術を習得します。学生2~5人に1人の教員・TA(ティーチングアシスタント、大学院生)が付き添い、ガラス器具や薬品の取り扱いを基本から身につけます。計測における誤差の扱いや適切な文献の引用方法などをはじめ、レポート作成の基礎を学びます。

■  応用化学コース実験(3年次)

3年次の実験では、卒業研究に向けての実践力を育成します。内容もより専門的となり、例えば、液晶ディスプレイなどに使われる透明導電性酸化物の合成や、ノーベル賞にもつながった鈴木―宮浦カップリング反応などを行います。大型の分析機器を教員・TAの指導のもとで学生自身が操作することもあります。分子シミュレーション(量子化学計算)・プロセスシミュレーション、プログラミングなどの計算化学の初歩も学びます。教材や配布資料には、一部に英語のものも取り入れます。
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3. 卒業研究

4年次から研究室に配属され、卒業研究に取り組みます。卒業研究は、未知の問題の解明や新素材開発など、答えのない問題に本格的に挑む初めての機会となります。卒研生3~4名あたり1人の教員が手厚く指導します。年度開始時には、教員や大学院生の先輩の手取り足取りだった4年生が、秋から冬には見違えるほどに自主的に研究を進めることができるようになります。研究テーマに関連する国際英文ジャーナルに掲載の最新の論文を精読し、国内外の研究の最新動向を把握するための調査力・英文読解力を養います。
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4. 大学院教育

修士課程では、高度で専門的な知識・技術を習得します。大学院への進学率は例年約60%です。各研究室の設備に加え、学内外の共同利用施設・大型機器も積極的に利用します。例えば、大型放射光施設SPring-8、最新型の高分解能分光機器、スーパーコンピュータによる計算化学など、世界最高水準の設備を学生自ら操作して研究を進めています。企業の採用でも技術系では修士卒が求められる場合が多く、当コースでも研究・開発職を志望する学生は大学院に進学する傾向にあります。研究成果は国内外の学会で積極的に発表します。優秀講演賞も数多く受賞しています。
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5. 国際交流

■  世界への発信

研究室での学生の研究成果は、国際的な学術誌への掲載や国際会議での発表を通じて、学生自ら世界に向けて発信します。英語による口頭発表を行う学生も多く、中には国際会議での学生の優秀講演賞の受賞もあります。

■  海外留学・ダブルディグリープログラム

徳島大学や理工学部の提供する海外留学支援制度・各種奨学金を活用し、応用化学システムコースからも多くの学生が海外留学を経験しています。海外の連携大学と徳島大学の2つの学位を取得できるダブルディグリープログラムにも当コースの学生が参加しています。また、学部生から6年一貫プログラムに登録すると、大学院科目を学部4年生で先取り履修することができます。このことで、修士課程の講義開講時期に海外留学プログラムや海外インターンシップに参加しやすくなるなどのメリットがあり、カリキュラムに柔軟性を持たせることでスケールの大きな人材養成を目指しています。

6. さらに詳しく知りたい人へ

さらに詳しく知りたい人は、次のような資料を参考としてください。

カリキュラムマップ
 ※画像をクリックすると拡大します
・ シラバス検索で、カリキュラムマップに掲載の講義名か教員名で検索できます。
動画による応用化学システムコースの紹介
コース教員および研究室での研究内容の詳細については、「研究室・教員紹介」からアクセスし、各教員または各研究室ホームページをご覧ください。

応用化学システムコースでは、コース内で学生と教員が参加するボウリング大会、ソフトボール大会などを定期的に開催しています。

また、何といっても徳島ですので、夏はやっぱり阿波踊り。「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」ということで、阿波踊り期間中には当コースの「化応連」(連とはグループのこと)が、徳島市内街中に踊り込みます。化応連には、学部1年生から4年生、さらに大学院修士課程、博士課程の学生有志、そして、教員、OB・OGも参加します。

これらのイベントにより、コース内の学生と教員、そして、先輩・後輩のより親密な繋がりができます。

1年間のコース行事

4月
■ 新入生歓迎会
■ 新入生研修(地引網など)
6月
■ ボウリング大会
8月
■ 阿波踊り 化応連
11月
■ ソフトボール大会
2月
■ 卒業論文・修士論文研究発表会
■ 予餞会
3月
■ 卒業・修了式、謝恩会
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新入生研修

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ボウリング大会

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阿波踊り 化応連

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ソフトボール大会


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徳島大学1-3年生までは座学(高校までの授業形式とほぼ同じ教養・基礎・専門科目の講義)中心ですが、4年生からは研究室に配属され、各自研究テーマを持ち、主体的に研究を進めるようになります。私は大学に入って始めて学んだ化学工学という分野に興味を持ち、化学工学系の研究室に進みました。はじめは4年生で卒業して就職しようと考えていましたが、研究室生活の中で自分自身のレベルアップを実感できたこと、また将来自分の専攻を活かした仕事がしたいと思うようになったことから、大学院への進学を決めました。研究室での3年間は、日々実験、データ整理、研究成果の発表等で忙しかったですが、同期だけでなく先輩や後輩、教授との繋がりが広がり、とても充実した学生生活を送ることができました。また、国内外での学会発表や留学生のチューター、論文の執筆等、貴重な経験をたくさんさせていただき、大きく成長できた3年間だったと感じています。

現在は化学メーカーでプロセスエンジニアとして働いており、プラントの合理化や最適な運転条件について検討しています。大学で学んだ化学の知識はもちろんですが、研究室生活の中で身に付けたたくさんの経験やスキルが、業務の中で活かされているなと日々実感しています。

徳島大学理工学部理工学科応用化学システムコース

【写真 左上・中央:学会主催サイエンスショー補助、同学会に参加した研究室メンバーと紅葉をバックに(岩手)、左下:国際学会参加(PBAST-8, 北海道)、右:国内学会参加(日本吸着学会, 大阪)】

三井化学株式会社 岩国大竹工場 管理部 工場企画グループ 基盤技術チーム
黑木 彩加
(平成29年3月 卒業、平成31年3月 大学院博士前期課程修了)

徳島大学理工学部理工学科応用化学システムコース

徳島大学・徳島大学大学院では色々な勉強や経験をさせていただきました。例えば、学部生のころにはタイに短期留学し、現地の山岳少数民族を支援するNPO法人の活動を見学する機会に恵まれました。多くの素晴らしい支援事業の中で、屎尿から家庭用燃料(メタン)や有機栽培用肥料を取り出せる循環型トイレの導入事業に特に感銘を受けました。工学的な知見を用いることで、利便性と持続可能性が両立していたからです。この短期留学により、環境負荷低減技術への関心がより一層高まりました。その後、配属された研究室では、触媒開発や資源回収などに関する研究について学ぶことができました。また、大学院では台湾でのインターンシップに参加させてもらうなど、徳島大学の教員や職員の皆様には多くの面でサポートしていただきました。7年という限られた期間の中で博士号を取得することができましたが、徳島大学の学生を応援する気風によるところが大きかったです。徳島大学での学びが社会人としての基礎となっています。

地方独立行政法人大阪産業技術研究所 高分子機能材料研究部
永廣 卓哉
(平成25年3月 卒業、平成27年3月 大学院博士前期課程修了、平成29年3月 大学院博士後期課程修了)
徳島大学理工学部理工学科応用化学システムコース
博士前期課程 修了生進路・就職先(R1年3月-R3年3月)
【主な就職先】
■ 民間企業(化学)
AGC、DIC、カネカ、クラレ、第一工業製薬、ダイセル、大阪ガスケミカル、東ソー、日亜化学工業、三菱ケミカル、三井化学、ユニ・チャーム など
■ 民間企業(製薬・食品)
AGF、大鵬薬品工業、大塚製薬工場、富田製薬 など
■ 民間企業(その他)
京セラ、ディスコ、パナソニック など

徳島大学理工学部理工学科応用化学システムコース
学部 卒業生進路・就職先(R1年3月-R3年3月)
【主な就職先】
■ 民間企業(化学)
大塚テクノ、四国化成工業、日亜化学工業 など
■ 民間企業(製薬・食品)
富田製薬、大塚製薬工場、市岡製菓 など
■ 民間企業(その他)
阿波銀行、大塚包装工業、キーエンス など
■ 公務員
国家公務員、徳島県庁、愛媛県庁 など